博多山笠という銘菓の CM のフレーズ
「山笠のあるけん、博多たい」をもじって、
福岡・博多出身の松嶋啓介シェフはこう言いました。
「がめ煮があるから、博多である」
フランスを拠点に世界で活躍する日本人シェフを支え続ける故郷の味。
皆さんには、そんなソウルフードと呼べるものはあるでしょうか。
汗ばむ陽気の7月2日。本場博多は山笠の季節に
原宿の杜にも、博多の風が吹きました。
東郷神社の横、心地よい緑の中にある
KEISUKE MATSUSHIMA で福岡県人会-夏-が行われ、
福岡出身やゆかりのある方、20人近くが集まり、
同郷の熱量でさらに熱い夜となりました。
「若くして上京してきて、
お母さんからならっとらーん言う人、
男やけんそげなの知らん、、、とか言う人、
やっぱりね故郷の味は学ばんといかんとよ、、、」
そう呼びかける松嶋シェフによる「がめ煮」のレクチャーに加え、
福岡のソウルフードを皆で楽しむという趣向。
用意されていたのは涼しげに冷やされたスパークリングと白ワイン。
そして横にはもちろん福岡といえば欠かせない、焼酎も。
初めまして同士の方も、
同郷ということで乾杯すればすぐに打ち解ける。
「よかろうもん」文化ということもあるのでしょう。
次々提供されるソウルフードを堪能しながら、
会は盛り上がりを見せてゆきます。
・がめ煮
・鉄鍋餃子
・豚バラ串焼き
・かしわ飯
・だご汁...
しかしフレンチレストラン、
STAUB の洒落たお鍋に鉄鍋餃子が並び、
かしわ飯が盛られ、だご汁はレードルですくいます。
松嶋シェフもグラスを片手にみなさんと談笑、
文字通り「同じ釜の飯」を食べながら、
盛り上がりも最高潮に達してきた頃、
「がめ煮」のデモンストレーションが始まりました。
我々がお手伝いさせていただいた動画の撮影の時より
お酒も入って舌も滑らかに。故郷の言葉での掛け合いに、
次々と笑いが生まれ、会場のライブ感はさらに高まります。
グツグツと煮込む間には、素材それぞれが持つうま味成分に加え、
その構成や歴史背景などの分かりやすい説明も。
加えて、家電の進化などで生活が便利に変わってきた中、
家庭において料理が担う役割、
料理と人付き合いとの共通点
「料理も愛情も、優しく見守ること。
味を出すためにはゆっくり熱を入れること...」など、話は多岐に及びます。
「人を良くすると書いて食」「人を良くする事と書いて食事」。
愛情や友情は食事を通して育むもの。
だから、食というのは大切なんです、
そう語る松嶋シェフは、真っ直ぐとした目で、いつもこう締めくくります。
「『食い』改めよ!」と。
気がつけばあっという間にお鍋も空、
うま味のある話もしっかりと体に染み込み、
県人会はおひらきに。
焼酎とソウルフードで火照った体に、
原宿の緑の薫りを含んだ風が心地よい夜でした。
次回の県人会は10月予定とのこと。
それ以外にも、月に一度の帰国の際は、
様々な切り口で食の大切さを伝えるイベントを行ってらっしゃいますので
ぜひ、一度足を運び、松嶋シェフの熱に直接触れてみるのはいかがでしょうか?
日々の食に対して、意識が変わること請け合いです。
松嶋シェフからのレシピバトン、「がめ煮」。
動画やレシピを参考に、福岡出身の方はもちろんのこと、
そうでなくても、一人でも多くの方に作っていただけたら幸いです。
松嶋シェフ、ありがとうございました!