永井家のレシピバトン
RecipeBaton of the Nagais

「13年前の運動会のとき、家族みんなで食べた
お母さんの愛情たっぷり弁当」

「感謝の気持ちを、お母さんに直接伝えたい」

永井さんからのご依頼のきっかけは、
実家である大阪に離れて暮らすお母さんに親孝行をしたい、
との想いからでした。

何の料理を教わりたいか、と伺うと 「13年前、家族みんなで最後に食べたお弁当」とのこと。

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長女である永井さんには二人の弟さんがいらっしゃいます。
その、最後の弟が卒業する前の年の運動会、
家族はもちろん、祖父母やいとこも集まって、みんなで食べたお弁当。

「あの時の気持ちを思い出すと、不思議と元気が湧くんです」

だから、一緒に台所に立ってそのレシピを教わることで、
今までの感謝の気持ちも同時に伝えたい。そう思ってのご依頼でした。

永井さんのお母さんも、そのまたお母さんもお料理上手だそうで、
お母さん曰く、

「わたしの住んでいた社宅の、二畳もないキッチンで、
たくさん料理を作る母の背中を見て育ってきました。
当時にしては珍しく、オーブンもあって
ホワイトソースから作るグラタンやプリンは、
外より家で作るものだったんです。
その母の癖が受け継がれたのかもしれません」
とのこと。

「13年前のお弁当って聞いて、びっくりしちゃいました。
だって、今回の話を聞いた時に、教わりたい料理は  
いつだって家のみんなが「わー!」って言ってくれていたもの。
麻婆豆腐や白菜鍋、五目そばや家の餃子だと思っていたから。」
と、仰られていました。

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永井さんが実家に帰るタイミングに合わせ、
慣れ親しんだ台所での撮影が始まります。

今回レシピバトンするお弁当は4品。

・三色おにぎり
・肉団子
・卵焼き
・いんげん
・人参の肉巻き、海老の酒煮

13年前と同じ漆塗りの立派な重箱から、
みんなで食べていた風景がよみがえるようです。

ずっと使っている卵焼きフライパンや、
お父さんと買いに言った、というおにぎりの木枠も登場。
お母さんが使ってこられた年季の入った鉄鍋も、
一目で大切に使われてきたと分かる、大切な相棒です。

三色おにぎりは海苔と、塩たらこと、薄焼き卵で。
具から作り始めます。

料理を作っている姿を眺めながら、
初めて聞くお母さんのルーツにたくさん頷く永井さん。
料理の一品一品に、ルーツと思い出があります。

肉団子は50年以上前の、雑誌の付録か何かで、
お母さんと一緒に嫁いできたもの。小学生の頃から、
ずっと永井さんの家のお弁当に入っていたそうです。

卵焼きもそう、全て永井さんのお祖母さまからのもの。
出汁や甘いものも作ったけれど、みんなが「おいしい」
と言ってくれる塩だけのものが永井家のものとなり、
こうしてバトンが受け継がれてゆきます。

肉巻きは、外で食べた時「美味しい!」と
お父さんがおっしゃって家でも作るように。

「お弁当にいろどりが必要な時に重宝するし、
タレ次第で和食にも洋食にもなるんです」
下ごしらえしておけば、朝一番のお弁当にも使えるとのこと。

お母さんが、どれだけ家族のことを思って
料理の一品一品を作っていたか…
撮影クルーの胸にも、グッとくるものがありました。

そうして出来上がったおかずたちを、
重箱に詰めてゆくタイミングで永井さんから一言。

「実は今日、たまたま弟たちも実家に戻ってきてるんです」

お姉さんである永井さんのお声がけにより、
お母さん、永井さん、弟さんたちの4人で、
食卓を囲んで三色おにぎりを握ることになりました。

聞けば、昔から慣れ親しんだこの台所は改装が決まっており、
ご両親は新しいのキッチンのある住居に移るとのこと。

「さいごにこういうきっかけがあってよかったです」
お母さんの言葉が印象的でした。

その台所で、あの頃のようにご両親、ご兄弟揃って
13年前のお弁当を味わいます。
「おいしいおいしいと言ってくれる主人を見て育ったからか  
みんなおいしいと言ってくれるんです」
食卓に、家族の笑顔が溢れます。

「実は去年手術をしまして、こういう機会があってよかった。  
3人とも本当によく育ってくれて、  
職場の人にも褒められてきました。  
私も主人も、二人とも仕事で忙しかったけれど、  
料理を頑張ってきて、よかった」

家族の歴史を物語るように、びっしりと書きためられてきた
レシピブックに、新しい1ページを刻むように
改めて今回のレシピを書いてくださったお母さん。

お母さんには意外だったリクエストでも、
気づかないところでずっと、永井さんを励ましていた「うちの味」。

その全てのレシピに、今までの思い出と、
これから永井さんが作る際の応用が記されていました。
まるでその一言一句が改めて、
永井さんを応援しているいるようでした。

「実は弟が結婚することになりました。その時、  
家族みんなで上映会をしたいと思っているんです」

後日、いただいたお礼メールにはそうありました。
弟さんのご家庭にも、永井家のレシピがバトンされますように。

あの日、みんなで食べたお弁当13年経った今
また、みんなで食べることができました
お別れするキッチンに
偶然みんなが集まった日

レシピバトンを撮影してみての感想

大好きなレシピバトンさんのことを長文になりますが、書かせてもらいます♪
レシピバトンさんとの出会いは、
お友達のFacebookのタイムラインで流れてきた投稿でした。
レシピバトンさんの映像を見ていて、涙が自然と溢れてきてしまって、
自分でもびっくり。何て温かい映像なんだろう。連休だったので、
実家の大阪に帰る新幹線の中で昔のことや今のことを混沌と思い出して涙止まらず。
とにかく温かい映像にゴトリと動かされた心のままに、モニター募集という文字を見つけて即応募!!
それからレシピバトンの高木さんからメールで丁寧なご連絡を頂き、
モニター第一号として参加させて頂けることに!わざわざ実家の大阪まで来て頂いて、初対面。
とにかく熱い熱い人でレシピバトンの立ち上げや一緒に来てくださった
ムービー担当の一條さんとの出会いや 感動して涙とまらなくなった動画の裏話、
今回、うちを選んでくださった理由などを伺い、
撮影する前から最高になること間違いないと確信。出会えたことに大感謝しつつ、実家へ。

今回、母にお願いしたのは「お弁当」。

昔、運動会で家族、祖父母、いとこが集まって食べた美味しい美味しいお弁当。
自分が元気がなくなった時にあの時の幸せな気持ちで心を充満させるためにたま~に自分のために作ってました。
普段はとっても元気で忘れっぽいので、落ち込んでも長くて3日の私が1週間ほど落ち込みそうな時はお弁当作製。
それくらい、お弁当には強い想いがあって、母にお願いしました。今回のきっかけがなければ、
私はお弁当のレシピを知らずに一生を過ごして、きっと後悔していたと思います。本当に感謝。
今回の撮影では、「お母さんに感謝の気持ちを伝えたい」「たくさんたくさん感謝していることを伝えたい」
「言葉で伝えきれない想いを映像、写真で届けたい」と自分の中で想っていましたが、
レシピバトンさんマジックで逆に母から目には見えない、言葉や行動をもらって、
私が泣かされるという体験をさせてもらいました。

撮影後、映像と冊子をわざわざ手渡しで届けに来てくださった高木さんが
撮影後に母に追加で電話インタビューもしてくださっていて、その言葉の中に、
「忙しくても、頑張ってお料理作ってて、良かった」という言葉を高木さんから受け取り、また涙・・・
もう、お母さんって偉大・・・泣
手料理が大好きになったのは母だったから。
父も母も仕事が忙しくて、忙しくて、忙しいのに、3人の子供に何不自由なく、
心も身体も元気に育ててくれたこと。 とても感謝しています。
口から愛情が入るっていうのは本当に実感。母から受け継いだ、
どこのレシピにも載ってない、うちだけの味をこれから、繋げていくことが1つ目標になりました。

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